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司法試験予備試験とは何ですか?
今年も5月16日~20日に司法試験が実施され,同20日には司法試験予備試験の短答式試験も同時に実施されました。受験生の皆さん大変お疲れ様でした。今回のコラムでは,「司法試験」とは違いよく知られていない「予備試験」についてご紹介したいと思います。
そもそも,現在の制度上,裁判官や検察官,弁護士になるための難関である司法試験を受験するためには,法科大学院(ロースクール)を修了して受験する場合と,司法試験予備試験に合格して受験する場合の2つのルートが用意されています。
1つのルートは,大学の法学部を卒業して法科大学院に入学し,既修者は2年間(未修者は3年間)の課程を修了すると司法試験の受験資格が得られるというものです。大半の受験生が法科大学院を修了した上で司法試験に挑みますが,時間的・経済的な理由などから法科大学院に通学することが困難な方もいます。そのような志望者の事情に配慮し,特に受験資格や受験回数の制限がない「司法試験予備試験」という制度が設けられました。予備試験は,法科大学院に進学する時間的・経済的な負担をせず法律家を目指せる,もう1つのルートになります。もちろん,学力が優秀な方は大学在籍中に予備試験に合格し,大学を卒業前に司法試験に合格するという方もいます。
予備試験では,一次試験として短答式(マークシート式)試験,二次試験として論文式試験,三次試験として口述試験が用意されています。これらを経て無事に合格すると,次年度以降本番である司法試験を受験することが出来るようになります。
予備試験に合格することが出来れば,法科大学院での課程を経ることなく最短で司法試験を受験することが可能となります。ただし,平成29年度の予備試験の結果を見ると,受験者10,743人に対して最終合格者444人(約4%)と非常に狭い門となっています。
法科大学院と予備試験,いずれも決して簡単な道程ではないですね。
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