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ご相談事例Case

労使関係

残業代請求があった場合

Q:当社を退職した従業員から、未払残業代の支払請求をされました。しかし、当社は残業代も含めた基本給を毎月固定で支払っており、従業員にもそのように説明していますので、残業代の未払いは無いと思うのですが、請求された金額を支払わなければならないのでしょうか?

 

A:従業員から残業代の支払を請求された場合には、まず、当該従業員に対する残業代の未払いがあるか否か、残業代の未払いがある場合には、いくらかなのかということを正確に把握する必要があります。

 

◆残業代(時間外割増賃金)の計算方法

会社は、従業員が1日8時間、週40時間(小規模飲食業等は週44時間)を超えて労働した場合には、超えた部分について、当該従業員の時間単価の25%の割増賃金を支払う必要があります

 

加えて、時間外労働が深夜(22時以降)に行われた場合には、さらに25%の割増賃金を支払う必要があります。また、休日労働をした場合には、35%の割増賃金を支払う必要があります

 

◆固定残業代について

さて、残業代を含めた固定給を支払っている場合には、残業代は一切支払わなくても良いのでしょうか。

この点について、裁判例では残業代を含めた固定給払いは、(1)基本給に割増賃金が含まれることを就業規則等に明示すること、(2)基本給のうちどの部分が割増賃金に相当する部分なのかを明確に区分すること、(3)労基法所定の計算によって計算した額が割増賃金相当部分の金額を超える場合には、その差額を当該賃金の支払期に支払うこと、が必要であり、そうでない場合には、残業代の支払義務があるというものです。この要件を満たさないで、賃金を支払っていると、残業代も含めて支払っているつもりで基本給を高額に設定して支払っているにもかかわらず、さらに残業代を請求される可能性があるので、注意が必要です。

 

その他、残業代の請求には、そもそも賃金の発生する労働時間の範囲はどの範囲か、労基法の適用が除外される従業員に当たるか否か、変形労働時間制の適用があるか否かなど、様々な法的論点がありますので、残業代請求でお悩みの場合には、一度、ご相談にお越しください。

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