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福澤法律事務所20周年記念 弁護士による座談会(2)

その2

~ 弁護士による座談会 20年を振り返って&これから ~

司会 先生方、ありがとうございました。続いては、この20年の先生方の歩みを振り返ってみたいと思います。

まず、福澤先生。先生がお一人で独立されてから、当事務所は弁護士9名が所属し、立川にも支所を開設するなど、この20年で規模も知名度も大きくなってきたように思います。この間、弁護士事務所の経営にあたって考えられてきたこと、あるいは苦労されたことなどがありますか。

 

福澤 私が独立したときは、弁護士は1人で仕事をするのが当たり前の時代でした。しかし、サービス業として迅速に充実したサービスを提供するには弁護士が1人でやるのは無理があると思います。その時代にあったサービスを提供するためには、事務所のレベルを高くする必要があります。なので、今の事務所の規模は意図的に目指してきたところです。事務所が大きいほど苦労も大きいですが、当初目指していたところは実現できていると思っています。

 

司会 福澤先生は相続分野に力を入れており、相続に関する書籍も執筆されています。どうして相続なのでしょう。

 

福澤 事務所としてはどのような法律問題も相談できる総合事務所を目指しています。しかし、相続以外も取り組んでいますが、個人的にはいろいろな勉強会に参加して、相続分野に興味を持ったのが大きな理由です。自分なりに勉強してみて、相続法の分野が一番しっくりきました。当時はまだ弁護士業務の中でメジャーな分野ではなかったのですが、自分的には面白さを感じましたね。

 

司会 では、菅原先生にお伺いしたいと思います。菅原先生は、弁護士の仕事をしていて大変だったことはありますか。

 

菅原 弁護士の仕事をしていて大変なことは、担当する各事件が常にリアルタイムで動いていくために、弁護士側もそれに合わせて対応を迫られる点です。ただ、速やかに対応することで事態を打開することができ、依頼者の方に喜んでいただけると、そういった大変さも吹き飛びます。

 

司会 逆に、弁護士の仕事で楽しかったこと、やりがいのあったことなどはありますか?

 

菅原 それは、やはり勝訴したときです。私は、使途不明金訴訟が大好きで、銀行の取引履歴が大好物なんですが、使途不明金訴訟に限らず、訴訟で勝つためには、穴が空くほど証拠を眺めて、依頼者の方のお話と証拠を繋ぎ合わせ、無理なく、当方の主張に繋げなければなりません。そして、証拠を何度も何度も穴が空くほど眺めていると、今まで気づいていなかった当方に有利な事実が浮かび上がってくる時があります。そうした事実が浮かび上がってくる瞬間は、何度経験しても「よし!」と心の中でガッツポーズをしてしまいますし、その浮かび上がってきた事実を裁判所に認定してもらい、こちら側の主張が認められた時は、とてもやりがいを感じます。

 

司会 他の先生方は、仕事でやりがいを感じるのはどのようなときですか。

 

大塚 もちろん、私自身としても、依頼者の方がおっしゃるご主張やお気持ちが法的に認められるべきと考えたうえで代理人として活動いたしますが、最終的に裁判所で主張が認められたときは特別嬉しく思います。また、依頼者の方から感謝いただけると、弁護士としてのやりがいに繋がります。

 

橋本 仕事でやりがいを感じるのは、お客様の話を裏付ける根拠資料を探し出せたり、お客様にとって有利な結論を導ける可能性がある文献資料を探し出せたりしたときです。必要な証拠を得るために、お客様から丁寧にお話をお聞きし、お客様のお手元にある一見関係なさそうな資料についても丁寧に分析をしています。その結果、重要な根拠資料や文献資料を発見でき、それがその後の交渉や訴訟でしっかり活きたときにも、大きなやりがいを感じます。

 

司会 ありがとうございます。ところで、この20年で一番大きな変化といえば、弊所の立川支所を開設したことだと思います。これを開設した理由はどこにあったのでしょうか?

 

福澤 もともと八王子と立川は地理的には近いのですが、経済圏が異なります。八王子には立川や青梅線沿線のお客様は相談に来られるのは稀です。立川に事務所があれば、立川を中心としたお客様の依頼に応えられると思いました。立川は激戦区ではあるので、分野に特化する必要がある。そこで、相続に力を入れていることをアピールするため相続専門支所として開設しました。計画に5年くらいは費やしましたね。

 

司会 その後10年を経て、立川支所の現在の評価はいかがでしょう?

 

福澤 激戦区の中にもかかわらず、当初の弁護士1名体制から現在は3名体制に成長してきました。立川に開設したことで、お客様のニーズにも応えられていると思います。

 

司会 ところで、立川支所では最近になって新しい取り組みを始めたようですね。大塚先生、どのような取り組みかご紹介いただけますか?

 

大塚 事務所設立20周年記念企画と題しまして、「弁護士による遺言・相続セミナー~今知っておきたい、相続への備え~」を開催いたしました。第1回目は10月17日に、過去の事例を参考にしながら争続(あらそうぞく)にならないための相続対策を解説いたしました。

また、第2回目は11月19日に、遺言書や任意後見、死後事務委任契約などの制度活用術を解説いたしました。ありがたいことに、セミナー参加者の方からもご好評をいただきましたので、今後も定期的に開催したいと考えています。弊所のホームページや新聞折り込みチラシなどでご紹介させていただく予定ですので、ご興味のある方には是非ご参加いただきたいです。

 

司会 このセミナーの狙いは何だったのですか?

 

大塚 立川相続専門支所として10年近くやってきた中で、相続分野に関する経験や知識の蓄積があります。これらのノウハウを活かしてご活用いただきたいと考え、セミナーを開催することを企画いたしました。

 

菅原 他のセミナーとは違い、一歩踏み込んだ内容を提供する点で差別化を図っています。

 

大塚 今後取り扱うテーマについても、皆様からのご要望を取り入れつつ、できるだけニーズに沿った内容にしたいと考えています。また、セミナーで取り上げた内容については、いずれ書籍に集約するなどの展開も検討しています。

 

司会 八王子ではいかがですか?

 

福澤 八王子でもできればいいなとは思います。セミナー以外にも、ホームページの充実化や弁護士業務のDX化など、まだまだやれることはたくさんあると思っています。

 

その3へ続きます。

この記事を書いた人

東京弁護士会所属
福澤武文 Takefumi Fukuzawa
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