ご相談事例Case
非上場株式の評価方法
Q:非上場会社の株式を譲渡したいのですが、公正な価格はどのように算定すればよいのでしょうか。
A:非上場会社の株式は、上場会社の株式とは異なり、市場価格というものが形成されていませんので、株式を譲渡する際の売買価格や、反対株主が株式買取請求権を行使した際の買取価格をどのように決めればよいかという問題が生じます。
この点、裁判所は公正な価格であることを要求していますが、その算定方法については裁判所が合理的な裁量により決めることができるとしています。
では、具体的には、どのように決めるのでしょうか。実務では、以下のような方法が採用されています。
1、類似業種比準方式:事業内容が類似する上場会社の株価を基準にして、一定の計算式により算出する方法。税金の計算において大会社などで採用されています。
2、純資産価額方式:会社の資産と負債を税法上の基準で評価した金額を基準にする方法。税金の計算において小会社などで採用されています。
3、収益還元法:会計上の純利益を基準にして、これを一定の割引率で割り引く方法。
具体的には、純利益については、過去5事業年度の実績値などをもとに将来の純利益を予想します。また、割引率は国債利回り、市場金利などをもとに、一定の危険率を加味して決まります。
4、DCF法:帳簿上の利益ではなく、将来予想される年度別収益を基準にして、これを現在価値に割り引いて算定する方法
5、配当還元法:将来予測される配当金額を基準にして、これを一定の割引率で割り引く方法
このように非上場株式を評価するにあたっては、何を基準にとるか、基準にした価格からの割引率をどのように決めるかが問題となります。
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