ご相談事例Case
高齢者の財産を守るためには?
Q.母には不動産や預金など多くの資産がありますが、最近、認知証の症状が出始めてきました。資産を誰かにだまし盗られてしまわないかと心配です。何か対策はありますか。
A.このような場合も、成年後見制度が有効です。
成年後見制度を利用すると、ご本人が自分の財産を処分する権限に制限がかかります。この制度を破って、ご本人が勝手に財産を処分しても、後見人等がこれを取り消すなどして、処分された財産を取り戻すことができますので、財産を守ることが可能になります。
ご本人の財産処分に課せられる制限は、判断力の程度に応じて、異なります。
認知証が相当に進行して、ご本人の判断能力が常に欠けているような場合には、「後見」を利用できます。この場合、ご本人はもはや判断能力が欠けているので、財産を処分する権限は、ほぼ全て制限されます。預金も、自分では払い戻せなくなります。そのため、財産の管理や処分は、後見人がご本人の代理人として行います。
認知証は進行しているものの、日常生活くらいは自分でできるという方については、「保佐」を利用できます。保佐の場合、一定の重要な行為については、法律で保佐人の同意が必要とされており、また個別的に保佐人に代理権を与えることもできます。
認知証の程度は軽く、日常生活に支障はないものの、ご本人が重要な財産をきちんと管理できるか心配という場合には、「補助」を利用できます。補助の場合は、特定の重要な行為を選択して、その行為にだけ補助人の同意を必要としたり、補助人に代理権を与えることができます。どの行為に制限を課すかは、あらかじめ決められますので、その決められた範囲を超えて補助人がご本人の財産管理に介入することはできません。ご本人の自己決定にも十分配慮されています。
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