ご相談事例Case
内縁の夫婦には、どのような権利義務がありますか。
Q.私は、夫と長年にわたり内縁関係にあり、夫婦同然の生活をしてきました。しかし、夫が他の女性と浮気をしました。正式に婚姻届を出していないと、慰謝料請求はできないのでしょうか。
A.内縁の夫婦でも、相手方が第三者と性的関係をもち、内縁関係を破壊されたときは、慰謝料請求をすることができます。
これは、正式に婚姻届を出していない内縁の夫婦にも、その実態に即して、できるだけ法律婚の夫婦に近い法的保護を与えようと、裁判例が慰謝料請求を認めたことに由来します(「内縁」に関しては、《どのような場合に「内縁」は認められますか。》をご参照下さい。)
ほかにも、内縁関係が成立すると、以下のような権利義務が発生します。
・同居、協力、扶助義務
・婚姻費用分担義務
・日常家事債務の連帯責任
・財産分与
逆に、内縁関係だけでは認められないことには、以下のようなものがあります。
・妻の氏に、変更は生じない
・相続権が発生しない:配偶者には、2分の1の法定相続分が保障されていますが、内縁の妻はここでいう「配偶者」に当たらないため、配偶者の遺産を相続することはできません。
・子に嫡出性が認められない:内縁関係の夫婦の間に生まれた子は、法律上婚姻した夫婦の間に生まれた子(嫡出子と言います。)とは扱われません。
・姻族関係は発生しません。
・成年擬制:未成年の男女が内縁関係を形成しても、成年擬制の効果は生じません。
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