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遺言・相続問題

限定承認とは何ですか

Q:亡くなった父には自宅不動産がありますが、一方で借金も3000万円あります。不動産を売れば借金は全額返済出来るかもしれませんが、現時点ではいくらで売れるのか分かりません。不動産の価格が思ったより低かった場合には、相続によって負債を抱えることになってしまうのではないかと不安です。どうすれば良いでしょうか。

A:限定承認をする方法が考えられます。

相続が開始すると、まず財産や負債の額を調査しますが、調査によっても財産のすべてが判明するとは限りません。思わぬ借金があとから出てきたというケースもあります。その場合、相続を単純に承認してしまうと、借金もすべて相続してしまいますので、あとから借金のほうが多かったとなれば、大変なことになってしまいます。

このようなデメリットを避けるための方法が、「限定承認」という制度を使うことです。限定承認とは、財産の範囲内でのみ債務を支払えばよいとする相続の方法です。例えば、不動産と3000万円の債務があるという場合、限定承認をすれば、不動産の金額の範囲内でのみ債務も支払えばよいことになります。ですので、もし不動産が2500万円でしか売却できなかったとしても、残り500万円の債務については返済する必要がありません。

このように、限定承認は相続に伴うリスクを回避するために、とても役に立つ制度なのです。ある程度の財産がある場合には、借金があるかもしれないとすぐに相続放棄をしてしまう前に、いちど限定承認を利用できないか検討してみてもよいかもしれません。

ただし、限定承認には、受け取った財産につき、みなし譲渡所得が課税されるというデメリットもあります。
このようなメリットとデメリットを比較して、限定承認を利用するかを検討することになります。

 

最終更新日:2024年4月12日

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