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ご相談事例Case

遺言・相続問題

遺留分を奪うにはどうすれば良いですか。

Q:私の長男は若い頃から競馬やギャンブルにはまり、家族に迷惑をかけてきたため、家族との折り合いが良くありません。そのため、長男には何も相続させたくないのですが、長男にも遺留分があると聞きました。長男から遺留分を奪うことはできないでしょうか?

 

A:長男には遺留分があるので、長男には何も相続させないという遺言書を書いても、遺留分が主張される可能性があります。そのため、遺留分を奪えないかというご相談を受けることがあります。

法律的に遺留分を奪うことができる方法は、次の3つです。

1つめの方法は「相続欠格」です。相続欠格とは、一定の非行行為を行った相続人にについて、相続権が当然に失われることになるという制度です。ただし、欠格の理由となるのは、被相続人を故意に死亡させたとか、遺言を偽造したなどの事実が必要です。そのため、相続欠格が認められるケースは極めて限られており、容易には認められません。

2つめの方法は、「相続廃除」によって相続人の資格を奪う方法です。相続人の資格が奪われる結果、長男には遺留分も認められないことになります。しかし、相続廃除は、被相続人に対して虐待や重大な侮辱、その他の非行があったときに、家庭裁判所の審判によって決定されるものです。そのため、これもハードルは高いと考えて頂いたほうが無難です。

3つめの方法は、「遺留分の放棄」です。相続放棄は相続開始前にすることはできませんが、遺留分の放棄は、相続開始前にもすることができます。遺留分放棄の手続をした相続人には遺留分を行使することができなくなりますので、遺留分を奪うという目的を達することができます。

遺留分の放棄をするには家庭裁判所の許可が必要です。長男に無理やり遺留分放棄をさせるということはできませんが、例えば、一定の財産を生前贈与する代わりに相続放棄の手続をさせるよう説得することなどが、方法として考えられます。

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