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節税目的の養子縁組は無効ですか?

Q:父は、兄の子供を養子にしたため、私の法定相続分はその分減ってしまいます。兄の子供を養子にしたのは節税目的なのですが、このような養子縁組も有効なのですか?

 

A:節税目的の養子縁組は、それが節税目的であるということだけで無効になることはありません。

養子縁組の届出をしても、縁組の意思がない場合には、その養子縁組が無効となります(民法802条1号)。ここに養子縁組の意思とは、単に養子縁組の届出をする意思ではなく、実質的な親子関係を創設する意思と考えられます。

したがって、実質的な親子関係となる意思がないという場合には、養子縁組自体が無効となる可能性があるのです。

ところで、相続税の計算においては、3600万円+600万円×相続人数までは控除額とされ、この金額までの遺産には相続税はかかりません。したがって、相続人が1人増えると、相続税の控除額が増えることになるので、この点で養子縁組は節税対策になるわけです。

そのため、節税対策のために養子縁組をするケースというのは実際に存在します。

一方で、養子縁組によって他の相続人は相続分が減ることになるため、不利益を受ける相続人が、節税目的の養子縁組は無効だと主張して裁判となることもあり、下級審では養子縁組が無効とされたケースも少なくありません。

しかし、平成29年1月31日の最高裁判決は、「専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組みをする意思がないとき」に当たるとすることはできない。」として、節税目的というだけで縁組が無効となるものではないと判断しました。節税意思と縁組の意思は両立するというわけです。

したがって、養子縁組の効力を争うには、節税目的というだけでなく、他の事情から養子とする意思がないことを立証することが必要となります。

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