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離婚の国際裁判管轄権

Q:外国人の夫(妻)と離婚したい場合、日本の裁判所に離婚調停(訴訟)を申し立てることはできますか?

 

A:離婚事件について、日本の裁判所で処理できるか、あるいは外国の裁判所での処理に委ねるべきかを検討するためには、「国際裁判管轄権」がどの国の裁判所にあるかを確認する必要があります。

 

「国際裁判管轄権」とは、調停や訴訟を提起された国の裁判所に、当該事件を取り扱うことができる裁判権があることを言います。それでは、離婚事件の国際裁判管轄権の存否は、日本の裁判所ではどのように判断されているのでしょうか。

離婚訴訟の国際裁判管轄権が、どの国の裁判所に認められるかについて、最高裁判所は、次のような判断を示しました。すなわち、被告の住所地国に管轄権があることを原則としつつ、例外的に、遺棄された場合や被告が行方不明の場合、その他これに準ずる場合には、原告の住所地国に管轄権があることを認めるというものです(最高裁昭和39年3月25日判決)。

なお、離婚調停については、「本人出頭主義」が採用されているため、相手方の住所地がどの国にあるかを問わずに、相手方が離婚調停に応じて裁判所に出頭する限り、日本の裁判所に管轄権が認められる場合が多いと考えられています。

 

また、離婚に伴って、①親権者指定および監護者指定、②財産分与、③慰謝料、④養育費および婚姻費用分担等の問題を同時に解決しなければならない場合があります。①から③の国際裁判管轄権については、一般的に、離婚に付随する問題として、離婚の管轄権の存否と同様に取扱われています。一方、養育費の国際裁判管轄権については、扶養義務としての性質を持つことから、相手方の住所地国のみならず、養育費や婚姻費用の支払いを求める側(権利者・申立人)の住所地国も考慮された上で、柔軟に管轄権の存否が判断されています。

 

例えば、日本で結婚した夫婦(共に在日大韓民国人)とその子(7歳)がおり、妻が、夫からの暴行に耐えられないとして離婚調停を申し立て、併せて財産分与や子の養育費を求めることを検討していると仮定します。

この事例の場合、子を含めた当事者全員の住所が日本にあることから、上記の原則に従い日本の裁判所に国際裁判管轄権があることになります。したがって、妻は、日本の家庭裁判所に対し、離婚調停を申し立て、財産分与や子の養育費の支払いを求めることが認められます。

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