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ご相談事例Case

刑事事件

弁護人選任権について、教えてください。

Q:息子が警察に逮捕されました。息子のために弁護人を選任したいのですが、息子本人が依頼をしないといけませんか。また、選任の手続はどのようになっていますか。

 

A:逮捕された本人(「被疑者」といいます。)や起訴された本人(「被告人」といいます。)が弁護人を選任することができるのは当然ですが(憲法34条、37条3項)、さらに刑事訴訟法は、被疑者・被告人の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹、法定代理人、保佐人にも、独立して弁護人を選任する権利を与えています(刑事訴訟法30条2項)。

そのため、ご質問のケースでは、息子さんのために、ご家族が弁護士を探し、息子さんの意思を確認することなく、息子さんの弁護人として選任することができます。

しかしながら、弁護活動を行うにあたっては、現に被疑者・被告人となっているご本人との信頼関係を構築することが極めて重要であり、最終的にどの弁護士を弁護人に選任するかは、本来、ご本人が決めるべきことです(ご本人との信頼関係が悪化すれば、ご本人に弁護人を解任されてしまう恐れさえあります。)。

また、ご本人とご家族がそれぞれ別の弁護人を選任した場合、各弁護人の足並みが揃わず、有効な弁護活動が行えなくなる可能性も考えられます。

そこで、ご家族から弁護人になるよう依頼を受けた場合、まずは、ご本人が逮捕・勾留されている警察署・拘置所に行って面会し(「接見」といいます。)、ご家族から選任依頼を受けたことを伝えた上で、ご本人に対し、自らを弁護人に選任するよう働きかけ、ご本人から弁護人として選任してもらうというのが通常の方法です。

このように、被疑者・被告人又はその親族が、自ら弁護士を探して依頼し、選任する弁護人を「私選弁護人」といいます。他方で、貧困その他の事由で私選弁護人を選任できない被疑者・被告人のために、国(裁判所)が選任する弁護人を「国選弁護人」といいます。

私選弁護人を選任するためには、①まず被疑者・被告人又は家族などの選任権者と弁護士が委任契約を締結し、その上で、②選任権者と弁護士とが連署した「弁護人選任届」を作成し、捜査機関(警察署若しくは検察庁)又は裁判所に提出する必要があります。

 

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